民主党が2009年の衆議院選挙の際のマニフェストの1項目として掲げたもの。多額の資金を投じて建設されたにもかかわらず、十分に利用されていない地方の高速道路を念頭におき、それらを十分に活用すれば、観光振興など、地域経済の活性化につながるとして、その実施を提唱した。同時に、これによって、一般道の渋滞も緩和され、経済効果は大きいとした。しかしながら、この政策には多くの批判が浴びせられることになる。その代表的なものは、これによって公共交通機関が衰退するという主張である。特に四国などは、高速道路の無料化によって、JRの利用が減少し、最終的には深刻な経営危機に陥るのではないかという強い危機感がある。また、実際に、高速道路利用料金の大幅な値下げ実験によって、本四架橋が大混雑し、バス会社の主たる収益源である長距離高速バスの定時運行が不可能となり、経営が苦しくなったり、フェリー会社が経営難に陥るなどの問題が生じている。こうした事態は、マイカーに対して過度の優遇措置をとった結果、もたらされたものだという批判が強く、民主党はこの政策に対しては、12年現在、消極的な姿勢に転じている。