乗客の転落事故などを防ぐため、プラットホーム上に設置される、主に自動開閉式のドア。2012年現在、東京メトロの多くの駅で見ることができ、新幹線のホームへの普及も進んでいる。山手線では、2020年ごろまでにすべての駅にホームドアが設置される予定であり、JR東海も、やはり同時期くらいまでに、のぞみ号が停車するすべての駅への設置を計画している。とりわけ、郊外から都内への直接の乗り入れが進み、混雑の度合いが一段と増している東京では、ホームドアの設置は、安全対策上急務である。しかし、それに伴う問題もある。電車を運行する側からは、定時性を確保することが難しくなる。電車のドアとホームドアの、二つのドアの開閉を行う分、停車時間が長くなり、特に運行間隔の短いラッシュアワーには、遅れが生じる原因ともなる。また、路線によっては、ドアの数の異なる車両が混在していたり、諸事情によって停止位置が電車によって異なる場合もある。さらに運転者にとっては、定位置にとめることがより厳格に求められるようになり、それを補助する自動停止装置の装備が整った路線のみがホームドアを採用できる。費用の問題もあり、設置を一朝一夕に進められないのが現状である。