警察庁が2011年10月に出した「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」という通達で示した対策。東日本大震災で、鉄道などの公共交通機関の利用に大きな制約がかかったことで、通勤などで自転車での移動が見直された。また、健康志向、環境意識の高まりも、自転車の利用を推し進めている。その一方、携帯電話で通話したり、音楽を聞いたりしながら運転するといった散漫運転、信号無視、歩道での歩行者との接触事故の多発など、自転車を利用するマナーの悪化が社会問題化している。通達では、自転車が「車両」であるということを再認識し、歩道ではなく、それ以外の場所を走るよう促し、自転車の通行環境の整備もあわせて行っていくとしている。現状では、自転車が歩道を走らざるを得ないようなところも多く、通達の内容を実現するためには、道路の拡幅、立体的分離など、ハード面での整備が急がれる。