全国新幹線鉄道整備法に基づいて、政府が整備することを決定した五つの新幹線路線を指す。1973年に指定された。具体的には、北海道新幹線(青森市~札幌市)、東北新幹線(盛岡市~青森市)、北陸新幹線(東京都~長野市・富山市経由~大阪市)、九州新幹線(福岡市~鹿児島市、福岡市~長崎市)の5路線である。このうち、盛岡~青森間、東京~長野間、福岡~鹿児島間はすでに開業している。これによって、鉄道利用による長距離移動の利便性は高まる。しかしその一方で、新幹線の開業によってローカル線となる路線が衰退し、地元住民の生活環境が悪化することが懸念されている。また、東北新幹線や九州新幹線が延伸された際には、それまで終着点であった駅が中間駅になることで、乗客が「素通り」化し、駅周辺の地域経済がダメージを受けることも問題とされた。さらに、整備新幹線の整備は、国内線を運航する航空会社にとって大きな脅威となっている。新幹線との競合で採算性が悪化すれば、航空会社はその路線運航から撤退する。それは地方空港にとって死活問題ともなりかねない。