土地区画整理事業は、都市計画の母とも呼ばれ、これまで、震災や戦災からの市街地復興でも多く行われてきた。1995年に発生した阪神・淡路大震災からの復興では、兵庫県内で20地区の土地区画整理事業が行われた。土地区画整理事業の仕組みは、事業区域内にある土地の分割・合併と境界・位置・形状の変更を行い(「換地」という)、事業に必要な土地を地区内の地権者から少しずつ捻出する(「減歩(げんぶ)」という)ことで、道路・公園などの必要な公共施設と宅地の整備を行うというものである。土地区画整理事業では、土地が減歩され狭くなっても、土地の評価が公共施設の整備で上がるため、資産価値は下がらないというのが原則となっている。そのため、地価が安定しているか、または上昇期には事業が進めやすいが、下降期には、想定していた土地価格で保留地(減歩により新しく生み出された土地のうち、売却して事業費の一部にあてる土地)が売れない、あるいは売却先が見つからないなどの事態が発生すると、事業費が不足し、事業の遂行が困難となる場合がある。