建物が密集し道路や広場などの公共空間が不十分な地区において、土地を集約することによって一つの広い敷地とし、不燃化された共同建築物の建設や、道路・公園など公共施設の整備をする事業のことである。駅前再開発がよく知られている事業例である。1995年に発生した阪神・淡路大震災からの復興では、兵庫県内で6地区の市街地再開発事業が行われた。再開発前の土地の所有者、借地権者、借家権者の権利は、原則として、もとの権利に応じた新しい建物の床(これを「権利床」という)に置き換えられる。市街地再開発事業で建設される新しい建物の工事費などには、公的な補助金と新しく生み出された床(これを「保留床」という)を売却した資金があてられる。そのため、立地や経済状況等により、保留床が売れない場合など、事業費が不足し、事業の遂行が困難となる場合がある。市街地再開発事業には、第一種市街地再開発事業と第二種市街地再開発事業がある。第一種市街地再開発事業は、個人、組合、地方公共団体等が施行者で、従前の建物や土地の所有者等の権利を再開発ビルの床に関する権利に原則として等価で変換する権利変換手続きによる事業であり、第二種市街地再開発事業は、公共性・緊急性が著しく高い区域に適用され、地方公共団体・都市再生機構等が施行者で、用地買収方式による事業である。