災害により住宅を失い、経済的理由などにより、自力で住宅を見つけることが困難な者に提供される公営の賃貸住宅。公営住宅法に基づいて国からの補助を受けて、地方公共団体が建設や買い取りを実施して被災者に賃貸することになる。阪神・淡路大震災(1995年)からの復興において多数の災害公営住宅が建設された。2011年3月の東日本大震災の復興にあたっても、数多くの災害公営住宅が整備されると見込まれる。災害公営住宅は、自力再建の難しい被災者にとっては、仮設住宅を出た後の新しい住まいとして重要な役割を果たしているものの、従来の地域コミュニティーが継承されない可能性があり、またその性質上、高齢者世帯の割合が多くなるなどの問題もあり、入居者の心身の健康面のケアや新しいコミュニティーづくりが課題となる。また、阪神・淡路大震災の被災地となった兵庫県では、近い将来に災害公営住宅の居住契約期間が終了する住宅も発生することから、新しい転居先を自力で見つけることが困難な入居者に対して、期間延長も含めた柔軟な対応が検討され始めている。公営住宅といえば鉄筋コンクリート造の中高層アパートが一般的であるが、東日本大震災からの復興においては、低層木造公営住宅の建設など、地域性が考慮されるべきとの意見がある。また、民間住宅を借り上げて公営住宅として活用する方法もある。