鉄道の踏み切りを撤去し、架線の高架化を行う工事が2000年ごろから全国で進められている。電車の運行本数が多い時間帯において遮断時間が1時間中40分以上になる踏み切りを「開かずの踏み切り」と、国土交通省は定義している。この「開かずの踏み切り」は全国に約600カ所存在する。国土交通省は、「開かずの踏み切り」を含め問題のある全国の踏み切り約1400カ所のうち、2008年度から10年間をかけ、約400カ所を除去する方針を示している。首都圏の場合では、京浜急行が本線と空港線で、01年から高架化を進め、12年に28カ所の踏み切りの撤去を完了した。また、12年11月には東武伊勢崎線の竹ノ塚駅近くの踏み切りの高架化作業が開始された。この踏み切りは混雑時には、遮断機が下りている時間が1時間のうち最大57分にも達している。また、踏み切りの中には、横断距離が長すぎて、お年寄りなどは短い時間にわたりきれないという安全上の問題が深刻になっているところもある。こうした踏み切りが撤去されれば、歩行者の安全対策、交通渋滞の緩和に加え、踏み切りによって分断されている地域間の交流が円滑となることも期待されている。