私鉄と地下鉄との相互乗り入れ、直通運転が活発に進められている。2013年3月には東急東横線と東京メトロ副都心線の間で相互乗り入れが始まる。これまでも首都圏では、都営浅草線と京急電鉄、京成電鉄、北総鉄道、芝山鉄道との間、東急東横線と東京メトロ日比谷線、東京メトロ半蔵門線と東急田園都市線、などで相互乗り入れが進められてきた。このきっかけとなったのは、1956年になされた政府の都市交通審議会の答申で、都市部の交通利用混雑緩和のための方策として、相互乗り入れの実現が提案されたことである。現状では、特に私鉄側では、人口減少による将来需要の低下を見込み、東京都心へのアクセスを改善することで、自社路線の利用率向上と、周辺の不動産価値を高めることを狙っている。山の手線などドル箱路線を抱えているJRにとっては脅威となる。相互乗り入れには、ドアの数や軌道間隔などの車両の統一、保安装置の規格の統一など、果たさなければならない問題は多いが、昨今のパスモなどのICカードの普及は、乗客にとって会社間の乗り換えによる運賃精算をしやすくしているため、ソフト面での相互乗り入れの推進要因となっている。