経営効率の悪い無駄な空港が多すぎるという批判を受け、政府は2013年6月、国が管理する全国の27の空港について、滑走路や空港ビルなどの運営を一体化し、民間委託できるようにする民活空港運営法案を可決した。従来は、滑走路や管制業務など航空運航の基盤となる施設は国が保有・管理し、着陸料なども国が全国一律に設定してきた。一方、空港ビルや駐車場などは民間業者や地方自治体等による第三セクターで運営されてきた。これを統合することにより、たとえば空港ビルや駐車場から得られる収入を原資にすることによって着陸料を引き下げ、新しい航空会社の乗り入れ誘致などができるようになる。この法律下では、施設の所有権は国に残すが、その運営権(コンセッション)は30年から最長65年の期間に限定して民間に売却する。民間の経営のノウハウを導入することで空港経営の合理化を進めようとしているが、そもそもコンセッションを設定できるだけの潜在的魅力が地方空港側に本当にあるのかどうかが強く問われている。