誰もが歩行し通行することができる空間の整備。道路については、いわゆる歩道整備と歩行者優先道路整備がある。後者としては、交通規制によって歩行者優先にする歩行者用道路と、道路そもそもが歩行者優先に造られた歩行者専用道路がある。歩行者優先の商店街やスクールゾーンなどは継続的な規制で設けられた歩行者用道路で、歩行者天国は臨時的な規制で設けられるものである。歩行者専用道路としては、ニュータウンの緑道などが一般的だが、都市の中心部に設けられたものとしては、北海道の旭川市の買物公園がある。買物公園は1969年の実験を経て72年に誕生し、2012年に40周年を迎えた。世界でも買物公園に相前後し、アメリカ・ミネアポリスのニコレットモール、ドイツ・ミュンヘンのノイハウザー通り、オーストリア・ウィーンのケルントナー通りなどの歩行者優先道路が生まれている。
1970年、ニューヨークの五番街で公害追放の日の行事として歩行者天国が行われ、大々的に報道された。この影響を受け、東京の銀座、新宿、池袋、浅草をはじめとして、全国の都市に歩行者天国が出現した。それから40年以上たった今、ニューヨークではタイムズスクエアの歩行者空間化など、新たな歩行者空間整備が進められている。