無秩序な都市化、都市拡大。都市に人口が集中し、産業が発展する過程で、周辺の緑地や農地が開発され、あるいは水面が埋めたてられることによって都市化が進む。これが無計画に進められた場合、幹線道路沿いや鉄道沿線に無秩序かつ高密な市街地が開発され、遠距離通勤を強いるような都市拡大が発生する。日本の都市計画法では、無計画な都市拡大を制限するために、市街化調整区域が設けられている。アメリカにおいては、スプロールが社会的な損失をもたらしているという問題意識から、反スプロール運動が展開した経緯があり、これがいわゆるスマート・グロース(賢い成長)の考えにつながった。日本においても、成熟社会の到来に伴い、都市周辺への開発圧が弱まり、逆に都心回帰の傾向が強まっている。しかし、アジアの諸国のいわゆるメガシティーは、著しい都市化に直面しており、このスプロールへの対策が求められている。