BIDは、アメリカにおける地域活性化手法の一つであり、一定の地域を対象とする地域活性化のための組織づくりと資金調達のための仕組みのことである。BIDは、あらかじめ定められた地域内の不動産所有者や事業者から、負担金として一定額を徴収し、その負担金を資金源として、清掃、安全確保のための警備員の配置、公的施設の管理、産業振興やマーケティングなど、その地域の活性化のために必要なサービスの提供や環境整備を行うための制度である。例えば、ニューヨークのタイムズスクエア周辺のBIDでは、地区内の清掃、警備員のパトロール、大みそかのカウントダウンなどのイベント、路上照明やライトアップ等の街並みの環境整備、観光案内所の設置やレストランガイド等の制作など、通常の行政サービス以上のサービスを独自に提供し、街の活性化に大きく寄与している。なお、BIDの設置手続きや賦課金の算出・徴収方法等は、アメリカの州法によりそれぞれ異なっている。日本においても、地域活性化の実行力を高めるために、継続性のある資金の確保や組織づくりを可能とするBIDが着目されているが、BIDの導入には、税制や法制度の改正等が必要であるとされる。