JR九州が日本で初めて打ち出した、贅を極めた高額鉄道旅行商品の目玉となっている列車のこと。「ななつ星in九州」という列車名で、7両編成の客車からなっている。旅行者はこれに乗って、1泊2日、もしくは3泊4日のプランに沿って九州域内の周遊を楽しむ。列車には「和洋・新旧融合」の空間づくりがなされている。「ラウンジカー」は、昼は休憩所として使用される一方、夜はピアノの生演奏などが行われ、「社交場」として演出される。また、近年、鉄道事業の中では一般的に廃止されてきた「食堂車」も、クルーズトレインでは「ダイニングカー 木星」として大きな売りの一つになっている。この旅行商品の価格帯は、3泊4日で43~125万円(14年8~11月出発分)と、総じて高い。しかし、需要は高く、予約をとるのが難しい状況にある。海の「クルーズ」需要も高価格帯の商品から売れていく傾向にある。団塊世代のリタイアが進む中、高度経済成長期に仕事中心の生活を送った反動から、ゆとりを追求する動きの中で、こうした商品が評価されたものと考えられる。