河川や港湾地域を定期的に運航する船舶のこと。これに対し、タクシーのように随時要請に応じて運航されるものは水上タクシー(Water Taxi)と呼ばれ、区別されることがある。東京では、ウオーターフロントの開発に伴い、当該地域から都心の勤務地に向かう通勤者の間で、バスなどの陸上交通を利用した場合には避けることのできない渋滞を逃れ、快適に通勤できるということから人気が高まっている。特に、東日本大震災の際には、道路の破損や混雑、鉄道の運休などによって陸上交通が混乱する中で、機動性をいかんなく発揮し、有用性について大きな注目を集めた。また、観光面での利用価値に対する注目度も高い。その例として、東京都墨田区は、隅田川での水上バスの運航を「東京水辺ライン」と名付けた。都内観光の大きな柱の一つとして位置づけ、振興を図っている。もちろん、こうした取り組みは東京に限ったものではない。世界的に先駆的事例は多々あり、日本国内でも、大阪などの都市で同様の取り組みが積極的に行われている。