人口減少・高齢化社会を迎え、税収の大幅な伸びが期待できない中で、これまでの公共施設のあり方を見直し、既存施設の長寿命化や複合化・転用等による有効活用、統廃合等による施設総量の縮減といった公共施設に対する取り組みのこと。
地方自治体の公共施設は、1965~75年頃の高度経済成長期以降に整備された施設が多く、近年、公共施設の多くが改修・更新の時期を迎えている。しかし、昨今の地方自治体の財政状況の悪化、人口減少や少子高齢化の進行といった人口構造の変化に伴う需要と供給のギャップ、住民ニーズの多様化、バリアフリー化や省エネルギー化、防災性能の強化の推進、市町村合併による機能重複など、公共施設をめぐる状況が建設当時から大きく異なっており、今後、限られた財政の中で、一定の行政サービスを維持しながら、公共施設にかかる財政支出の削減を図る必要性が高まっている。
近年、公共施設白書の作成や公開といった形で、公共施設に関わる課題に積極的に取り組む自治体が見られるようになった。例えば、埼玉県鶴ヶ島市では、公共施設の量と質ともに適正な配置と健全な財政運営をめざし、計画的に公共施設の更新問題に取り組み、住民参加により、具体的な再配置・集約化計画を盛り込んだ「公共施設利用計画」の策定を進めようとしている。