社会経済状況の変化を踏まえ、既に決定されている都市計画を変更すること。都市計画は、社会経済状況の変化に対応して変更が行われることも想定した制度であるが、一方で、都市計画施設の整備、市街地開発事業の実施、土地利用の規制・誘導を行い、目指すべき都市像を実現するためには長い時間が必要であることから、一定の継続性、安定性も求められる。従来の運用では、一度決定した都市計画の変更は積極的には考えられてこなかったが、2000年に発表された都市計画運用指針の中で、都市計画の見直しがあり得ることが初めて示された。
例えば、都市計画道路は、都市の将来像の実現と将来の交通需要に応じて計画決定されているが、財政状況の悪化や代替路線の整備、歴史的建造物等の保存などの理由により、長期にわたって事業未着手となっている路線も多い。近年の人口減少や経済の低成長などの社会経済状況の変化から各地で見直しが進められているが、都市計画道路を廃止する場合のほか道幅を縮小する場合もある。また、都市計画施設の計画区域内では、事業の円滑な実施を確保するために建築制限が課されているが、未整備の都市計画道路には計画決定後50年以上経過したものも多いなど制限が相当長期にわたっており、変更にあたっては地権者を含めた地域社会の合意形成も必要である。