地方自治体、警察が発行するもので、一定の講義と実技講習を受ければ取得できる。ただし、自動車運転免許のような法的効力はない。2002年に東京都荒川区で最初に導入され、その後全国に展開されつつある。自転車免許が導入されてきた背景には自転車事故の増加がある。本来自転車は道路交通法上、「軽車両」と位置付けられており、車道を通行しなければならない。しかし、多くの場合、歩行者通路を勝手気ままに通行して歩行者を危険にさらしている。歩行者と衝突し、死亡事故を引き起こすケースも発生している。あるいは、車道を走っている際は自動車とは異なる方法で交差点を右折、左折しなければならないにもかかわらず、自動車と同じような方法で右折、左折して自動車との衝突事故を招いている。これらはいずれも自転車に関する交通ルールがきちんと理解されていないためであり、正しい知識の普及を図るための一策として自転車免許制度は活用されている。また、近年は自転車専用レーンを設け、歩行者、自動車通行帯との空間的分離を図っているところも増えている。