戦後初の国産機となったYS11に次ぐ国産旅客機。70~90席の地域路線専用の小型旅客機で、三菱重工業の子会社である三菱航空機が中心となって開発が進められてきた。2014年10月18日に完成披露(ロールアウト)式典が行われた。初飛行は15年4~6月期、運用開始は17年上半期が予定されている。その優位性は、大幅な燃費削減と騒音・排出ガスの削減を実現したことにある。08年にANAが最初にMRJの発注を発表した。その後、海外からも発注を受け、14年にはJALも発注することを決定した。また、MRJの一層の普及を図って、14年4月、三菱商事が中心となり、「次世代地域航空ネットワーク検討協議会」が立ち上げられた。新たな地域航空会社の可能性、MRJを使った地域経済の活性化について調査・協議を行い、将来は、大手航空会社からローカル路線の運航業務を請け負う運航受託会社の設立を検討している。なお、小型機の分野では、カナダのボンバルディアとブラジルのエンブラエルが先行しており、世界市場で大きなシェアを占めている。また、近年は中国、ロシアでも開発が進められており、航空機市場での生存競争が激化している。