2040年までに、20~39歳の出産に適した年齢層の女性の数が半減し、将来的に消滅する可能性がある自治体のこと。14年5月、増田寛也元総務大臣らの民間有識者でつくる日本創成会議によって公表提言された。推計は、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計データを基に、都市圏への流入が毎年6万~8万人続くという前提で行われている。日本創成会議の推計によると、2040年までに、全国1800市区町村の49.8%にあたる896の市区町村で20~39歳の女性が5割以上減るとされ、なかでも人口が1万人未満となる523の市区町村を、「このままでは消滅可能性が高い自治体」と分析している。消滅可能性都市とされた市区町村が占める割合が多い都道府県は、青森県、岩手県、秋田県、山形県、島根県、北海道、和歌山県、徳島県、鹿児島県と地方部に多く見られるが、人口が集中する首都圏でも、大阪市西成区、大阪市大正区、東京都豊島区なども消滅可能性都市とされた。全国で20~39歳の女性の減少率が高いとされる市区町村は、順に、群馬県の南牧村(89.9%)、奈良県の川上村(89.0%)、青森県の今別町(88.2%)であり、逆に、20~39歳の女性の増加率が高いとされる市区町村は、石川県の川北町(15.8%)、秋田県大潟村(15.2%)、横浜市都筑区(13.4%)であった。消滅可能性都市は、実際に自治体が消滅してしまうわけではないが、子どもを産むのに適した年齢層の女性が大幅に少なくなる地域は、女性が生涯に産む子どもの数が増えても、人口減少が加速するため、自治体の運営が行き詰まることが懸念されている。こうした問題に対し、日本創成会議は、東京一極集中の是正や魅力ある地方の拠点都市づくりなどの必要性を提言している。