日本では「ライド・シェア」として一般に報じられているが、正確には「ライド・ブッキング」が世界的に通用している名称。移動のための輸送サービスを求める者と、それを提供しようとする一般の運転者を、専用のアプリを使って仲介する事業を指す。運転者は、タクシー事業を行うための第二種運転免許を保有する必要はなく、事業者として登録し、一定の審査を受ければよい。利用者と運転者が直接運送契約を結ぶ形をとっていることから、ライド・ブッキング事業者は運転者に対する雇用責任は負わないと主張しているが、アメリカなどではこの点が係争課題となっている。この事業が発展してきた背景には「シェアリング・エコノミー」の考え方がある。今ある遊休資産を有効に活かしていこうというもので、民泊もライド・ブッキングと並び、その代表的な応用事例である。主なライド・ブッキングの事業者としてはアメリカのウーバー(Uber)、リフト(Lyft)がある。特にウーバーは世界的に事業を急速に展開しており、日本でも一部地域で導入の可否を図るための社会実験が行われている。若者を中心にその利便性に対する評価は高いが、その一方で、海外ではぼったくりやレイプなどの問題が起きている。日本のタクシー業界は、安全性への懸念などを主張し、その解禁に強く反対する運動を展開している。