地球温暖化に起因して、日本では全国的に集中豪雨が発生する傾向が年々顕在化し、また2004年には台風の上陸数が過去約50年間の平均値2.6個の約4倍の10個に達するなど、極端現象が多発するようになった。その結果、風水害のため全国で04年には232人が犠牲となったのを筆頭に、05年153人、06年177人、07年39人、08年85人、09年69人、10年89人が死者、行方不明者に数えられ、その過半数以上は65歳以上の高齢者であり、高齢者対策がクローズアップされた。集中豪雨の雨域面積は数十から数百平方キロメートルあって、これと同面積程度かそれ以下の流域面積の中小河川で洪水はん濫の危険があり、すべての都市河川がこれに当てはまる。一方、台風の豪雨は台風の雨域と梅雨あるいは秋雨前線との組み合わせにより広域・長期化し、流域面積が1000平方キロ以上の一級河川(国土交通大臣が管理する全国の109水系)でも破堤はん濫する。04年の台風23号による円山川(兵庫県)がその典型である。