2005年1月18日から22日の5日間、兵庫県神戸市で開催された国際連合の会議(第2回)。168の国連加盟国、78の国連機関等国際機関、161団体のNGOなど約4000人が参加し、パブリックフォーラムには4万人以上が参加した。会議の目的は、21世紀に入ってから進められていた「横浜戦略とその行動計画」(1994年に横浜市で開かれた第1回会議で策定された世界的な防災戦略)の見直しの結果をふまえ、21世紀の新しい防災指針を定めて、災害による被害軽減を目指すことであった。本体会議では上記の参加者による協議により、21世紀の防災戦略となる「兵庫宣言」および「兵庫行動枠組」を策定し、採択された。テーマ別会合では、「インド洋津波災害に関する特別セッション」を含め、「ハイレベル・ラウンドテーブル」(テーマ数3)、「テーマ別セッション」(テーマ数46)が開催された。さらに、第3回は2015年3月に宮城県仙台市で開催され、ここで2030年を目標年とする仙台防災枠組みが採択された。その優先事項は、次の4項目である。(1)災害リスクの理解(関連データの収集・分析・管理・活用、災害が複合的に発生する可能性を含めた災害リスク評価、地理空間情報の活用、防災教育、普及啓発、サプライチェーン)、(2)災害リスク管理のための災害リスクガバナンス(全てのセクターにわたる防災の主流化、防災戦略計画の採択、関係ステークホルダーとの政府の調整の場、ステークホルダーへの責任と権限の付与)、(3)強靭化に向けた防災への投資(ハード・ソフト対策を通じた防災への官民投資、土地利用、建築基準)、(4)効果的な応急対応に向けた準備の強化と「より良い復興(Build Back Better)」(災害予警報、事業継続、避難場所・食糧・資機材の確保、避難訓練、復旧・復興段階における基準類、土地利用計画の改善を含めた災害予防策、国際復興プラットフォーム〈IRP〉などの国際メカニズム強化)。