災害や事故の現場で負傷者などが大量に発生した場合にとられる選別措置。災害発生時などに多数の傷病者が同時に発生した場合、適切な処置や搬送を行うために、傷病者の緊急度や重症度に応じて治療優先順位を決定することをいう。フランス語を語源とし、「良い物だけを選び抜く、選別する」という意味である。羊毛やコーヒー豆の選別が起源であるとも言われている。医学の世界に応用されたのはナポレオンの時代で、多くの戦傷者の中から比較的軽傷者を手当てして戦線に復帰させ、重傷者は後回しにするという戦略的な言葉として用いられた。トリアージの際に用いるタグ(識別票)をトリアージタグと呼び、通常、赤、黄、緑、黒の順で緊急治療の順番が決められる。日本では、2005年のJR西日本・福知山線の脱線事故に際して初めて適用された。ただし、トリアージタグの記入に数分以上の時間がかかることや、かつ出血などで汚染されることが多いため、回収が困難という問題が発生した。