大地震の発生によって交通機関の運行がストップした場合、郊外の自宅まで徒歩で帰ることが困難な人を指す。帰宅距離20キロ以上の人は全員「帰宅困難者」とする。就業者、通学者だけでなく、私事目的による滞留者も考慮している。2013年の首都直下地震対策検討ワーキンググループの最終報告書によれば、東京都市圏で約640~800万人、うち東京都で約380~490万人に上ると想定されている。このような状況が発生する可能性がある場合にもっとも大切なのは、すぐに行動せずに、帰宅経路の被災状況を知っておくことである。日頃から歩いて帰宅する訓練や、そのとき必要となる帰宅地図などを準備しておきたい。「震災時帰宅支援マップ」(昭文社)は各地域版を合わせ100万部を超えるベストセラーとなっている。また、職場のロッカーには、スニーカー、携帯ラジオ、防寒具、手袋、懐中電灯、簡易食料などを普段から用意しておくことも大切である。道中、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアが災害時帰宅支援ステーション(情報、トイレ、水道水を提供して徒歩帰宅を支援する)として機能するように事前協定を結ぶ例が増えている。