2012年5月6日に茨城県つくば市で発生した竜巻では、築2年の木造2階建て住宅が基礎ごと真上に持ち上がり、空中で反転して裏返しとなり、中学生の男子生徒が犠牲となった。竜巻に遭遇し、住宅内で被災して死亡したのはわが国で初めての事例である。2006年北海道・佐呂間町の竜巻災害では、9人が犠牲となったが、被災者全員が新佐呂間トンネル作業所・宿舎という仮設建築物ごと吹き飛ばされたことが原因で、一般の住宅ではなかった。つくば市の竜巻災害では、さらに負傷者52人、茨城県と栃木県で合わせて2110棟の建物が損壊した。この災害がきっかけとなって、気象庁が08年3月に策定した竜巻注意情報の重要性が改めて喚起された。それによれば、竜巻が発生しやすい気象状況かどうかを事前に確認するという気象情報が半日から1日前に発表される。ついで、数時間前に竜巻と明記した注意報を発令し、1時間前に竜巻注意情報を発表することになっている。この竜巻注意情報の有効期間はおよそ1時間がめどとなっている。