2015年4月25日11時56分26秒(ネパール標準時)に首都カトマンズの北西77キロ付近で、深さ15キロの震源で、モーメント・マグニチュード7.8のプレート境界地震が発生した。この地震の揺れによって、ネパールでは建物の倒壊、雪崩、土砂災害などにより甚大な被害が発生した。人的被害は、死者8532人、負傷者1万9039人で(同年6月2日時点)、周辺国にも被害は及び、死者はインドで78人、中国で25人、バングラデシュで4人となった(同年4月29日時点)。この震災でネパールの人口の約30%にあたる約800万人が被災したと国連は発表した。経済被害は50億ドルで、14年の同国のGDP(193億5000万ドル)の約4分の1の額に相当した。歴史的な建造物や世界遺産の寺院などは、修復不可能な損傷を受けたといわれている。住宅被害が集中した地域は、比較的貧しい人びとが居住し、富裕層の住宅街はほとんど被害が発生しなかった。カトマンズでは近年、地方からの人口流入による集中現象が続いており、すでに人口過密な状態にあったスラムや貧民街のさらなる拡大に伴って、人的被害が大きくなったといわれている。