メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症治療薬にはバンコマイシン(VCM)、テイコプラニン(TEIC)、アルベカシン(ABK)、ムピロシン(MUP)などがある。そこへ新たにオキサゾリジノン系合成抗菌薬であるリネゾリド(LZD)が市販された。本剤は腎機能・肝機能の低下した患者においても血中濃度に変化が認められず、生物学的利用率が高く(約100%)、注射と錠剤の用量(600ミリグラム、1日2回)が同じで切り換え療法が可能な薬剤である。バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)にも用いられる。他にキヌプリスチンとダルフォプリスチンを3対7の割合で混合したストレプトグラミン系抗生物質がある。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に強い抗菌作用を示す。