超ウラン元素体内除去剤。日本メジフィジックス(本社・東京都江東区)の商品名。有効成分として、それぞれペンテト酸カルシウム三ナトリウム(Ca-DTPA)、ペンテト酸亜鉛三ナトリウム(Zn-DTPA)を含有。原子力発電所で浴びたプルトニウムなどの超ウラン元素(プルトニウム、アメリシウム、キュリウム)を、カルシウムや亜鉛と置換して尿中に排せつするキレート作用を持つ。Ca-DTPAは超ウラン元素に対する排せつ促進効果が高く、海外では人体への投与実績があり、安全性も確認されている。初期にはCa-DTPAを投与し、維持療法をZn-DTPAで行うキレート療法が、標準的治療として国際原子力機関(IAEA)において記載されている。アメリカ、ドイツ、フランスでは承認済み。日本では2009年に日本医学放射線学会、日本核医学会が早期承認を要望。医療上の必要性が高いとの基準に該当する評価を得て開発要請され、迅速審査の適用を受けて11年7月に承認された。投与方法は、1日1回の点滴静脈注射または緩徐な静脈内投与。長期投与時には、亜鉛欠乏に注意する必要がある。投与前後での尿中放射能量が変わらない場合は、治療を中止するか、休薬後に治療を再開して排せつ効果の評価を行う。