分子標的治療薬の一つで、抗悪性腫瘍薬(経口薬)。ゲフィチニブ(商品名「イレッサ」)は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤。上皮成長因子受容体(EGFR)は、非小細胞肺がんを含む多くの悪性腫瘍で過剰に発現し、腫瘍の増殖・維持に関与していること、またこれらが過剰に発現した腫瘍は高転移性を示すことなどが判明しつつある。本剤は、EGFRチロシンキナーゼを選択的に阻害し、腫瘍細胞の増殖をもたらすシグナル伝達を抑制することによって抗腫瘍効果を示す。手術不能または再発非小細胞肺がんが適応。患者に十分な説明と同意を得る。2006年4月、厚生労働省は発売開始以降のゲフィチニブによる副作用報告の状況をまとめ、急性肺障害や間質性肺炎等で643人が死亡と発表した。