注射器、点滴バッグなどを用いて投与する薬剤。注射器を用いる場合、皮膚の浅い部位への投与には皮内注射(皮内注)や皮下注射(皮下注)、深い部位への投与には筋肉内注射(筋注)を行う。静脈への直接注射は静脈内注射(静注)という。ワクチンなど皮膚の真皮に存在する免疫系細胞を意識して投与する場合は、皮内注が用いられる。発熱時の解熱薬の投与は筋注が多い。注射の後、よくもむと薬物の吸収速度を速められる。また、病院で抗菌薬の投与を受ける場合、高濃度の薬物を注射器で投与すると危険なので、ブドウ糖やマルトースなどの輸液と混ぜ合わせた後、1~2時間かけて静脈内に送り込む点滴静注が行われる。抗がん剤の投与には、動脈内注射(動注)も用いられる。通常、注射剤は溶液状の薬物であるが、薬物の懸濁液、あるいは前立腺がん治療用薬剤「リュープリン」のように、マイクロカプセル化した薬物を皮下注で投与することもある。