緑内障(眼圧の上昇)を治療する薬。点眼剤では、交感神経のβ受容体に作用し、眼房を満たす房水の産生を抑制して眼圧を下げるβ遮断薬のチモロール点眼剤(「チモプトール」「チモプトールXE」)がよく使われる。ただし、ぜん息や不整脈の既往症があると、発作や症状の悪化を招く。βα両受容体に作用するβ・α遮断薬のニプラジロール点眼剤(「ハイパジール」「ニプラノール」)も、気管支ぜん息の患者には禁忌。α1受容体に作用するα1遮断薬ブナゾシン(「デタントール」)の場合、眼圧低下力はβ遮断薬より弱いが、房水排出を促進し、眼内循環を改善するため、長期間の使用に適している。全身性の副作用も少ないので、気管支ぜん息や心疾患の患者に向く。プロスタグランジン類の「レスキュラ」は、瞳孔径に影響されず房水流出を促進。「キサラタン」は、ぶどう膜強膜流出量の増加により眼圧を低下させる。1日1回投与。副作用として一過性の充血、まつげの多毛化、虹彩および眼瞼(がんけん)の色素沈着などがある。炭酸脱水酵素阻害薬ドルゾラミド(「トルソプト」)や、ブリンゾラミド(「エイゾプト」)の点眼剤は、β遮断薬禁忌の患者に適している。一過性の眼刺激や霧視といった副作用はあるが、全身性のものはない。