乾癬治療薬。腫瘍破壊因子TNF-αに対するモノクローナル抗体で、関節リウマチ、クローン病の治療に使用されてきたが、乾癬の治療にも有効であることが確認され、適用されるようになった。インフリキシマブは、マウス抗ヒトTNF-α抗体の可変領域とヒトIgGの不変領域とを結合させたキメラ抗体、アダリムマブは完全ヒト型TNF-αモノクロナール抗体である。インフリキシマブは1~50週間の治療継続で、PASI75(乾癬の面積と重症度の指数を用いた評価で、ベースラインからの75%以上の改善率)が80%にもおよぶ、最も効果の高い治療の一つである。長期投与では、抗インフリキシマブ抗体が生体内で誘導されやすく、再燃傾向が見られ、有効率が減少する。副作用としては、即時型アレルギー反応、感染症、肝炎などがある。一方、アダリムマブは完全ヒト型化抗体のため、中和抗体ができにくく、長期投与しても効果の減弱が少ない。16週間の治療でPASI75は40ミリグラム投与群で60%、80ミリグラム投与群では80%と、インフリキシマブ同等の良好な結果が得られている。両薬剤ともに国内臨床試験が終了し、2010年1月に承認された。