気管支ぜんそくの治療薬。世界初のヒト化IgEモノクローナル抗体であり、重症アトピー型ぜんそく治療薬として、日本で承認された最初の生物学的製剤である。これまでの気管支ぜんそく治療薬とは、まったく異なった作用機序を示し、新しい治療法として期待されている。すなわちIgE抗体が肥満細胞上のレセプターに結合して、炎症性メディエーターが遊離される過程で、IgE抗体に結合することで肥満細胞への結合が阻害され、結果として炎症性メディエーターの放出を抑制する。日本では1412例の中等~重症のアレルギー性ぜんそく患者を対象とした臨床試験で、その有効性が高いことが示唆された。そのうち、254例のハイリスクグループでは、さらに有意な改善効果が認められた。本剤は高価であるため、ぜんそく予防・管理ガイドライン(GINA ; global initiative for asthma 2006)では、最も重症に用いられる治療ステップ5に位置づけされている。重篤な副作用はなく、2週または4週に1回、皮下注射で投与される。