内因性の昇圧性物質である、アンジオテンシンII(A-II)の拮抗薬(ARB)の一種で、降圧剤として用いられる。商品名は「ミカルディス錠」。血管拡張作用のほか、水分・電解質の調整作用があるので、心臓や腎臓の負担を軽くする効果も期待できる。病状にもよるが、心不全などの心臓病や、腎硬化症、糖尿病性腎症などの腎臓病にも有効。用法は40ミリグラムを1日1回経口投与。最初は1日20ミリグラムから服用を始め、漸次増量してゆく。なお、年齢や症状により適宜増減するが、1日あたりの最大服用量は80ミリグラムまでとする。肝障害患者に投与する場合、最大投与量は1日1回40ミリグラムとする。ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤に多くみられる“空せき”の副作用がない。その他の副作用(体のだるさ、めまい感、頭痛など)も比較的少なく、長期維持療法に適している。持続性もあるので、1日1回の服用ですむ。重い副作用はまずないが、薬が効きすぎると血圧が下がりすぎて、失神など一過性の意識消失も報告されている。急に立ち上がらず、ゆっくり動作するように心がけ、車の運転や高所での危険な作業には十分注意すること。高齢者、血液透析患者、厳重な減塩療法中の患者、夏の脱水時、また利尿剤など他剤併用時には注意が必要。