2008年1月に国内承認されたニコチン受容体部分作動薬(禁煙治療薬)。ファイザー(本社・東京都渋谷区)の商品名で、一般名はバレニクリン(varenicline)。ニコチンが脳内のα4β2ニコチン受容体に結合し、ドーパミンが放出されて快感とともに再びニコチンを使用したい、というニコチン依存症の仕組みに着目して開発された。α4β2ニコチン受容体に高い結合親和性を有し、他のニコチン受容体に対しては親和性が低い。このため、α4β2ニコチン受容体への作動薬となって、禁煙にともなう離脱症状やタバコに対する切望感を軽減する。同時にニコチンの結合を阻害して喫煙の満足感を得にくくする、という作動薬と拮抗薬の両側面を有する。ニコチンを含まず、効果的に喫煙習慣を抑制することが期待されている。使用方法は、0.5ミリグラム錠を最初の3日間は1日1回、4~7日目は1日2回に漸増して投与、8日目以降は1ミリグラム錠を1日2回として禁煙を開始し、11週投与を標準とする。うつなどの精神症状の報告もあるが、因果関係は明らかになっていない。