ロタウイルス胃腸炎予防ワクチン。グラクソ・スミスクライン(本社・東京都渋谷区)の商品名。ロタウイルスはレオウイルス科に属するRNAウイルスで、A~Gの7つの血清群に分類される。うちA、B、Cの3群が人体に感染するが、大部分はA群である。世界中の小児の95%が3~5歳までに感染し、そのほとんどは軽症で、ときに重篤な脳炎、脳症といった病態を合併することがある。入院をともなう重症胃腸炎の原因として、最も多いとされている。日本では、毎年1~5月に乳幼児を中心に流行する。感染力は強く、糞便中や吐物中のウイルスが経口感染して、2~4日の潜伏期間で発症して、嘔吐(おうと)、発熱、下痢を主症状とする。発展途上国では5歳未満の小児死亡の大きな原因であり、世界保健機関(WHO)がワクチンの開発を先導してきた。ロタリックスは、ヒトロタウイルスを弱毒化したG1P[8]株の血清型(遺伝子型)のみからなる、単価の経口生ワクチンである。通常は生後2カ月と4カ月に2回、経口接種する。2011年7月に承認された。