慢性骨髄性白血病(CML)、および急性リンパ性白血病(ALL)の治療薬。一般名はイマチニブ(imatinib)。CMLやALLの発症原因の一部とされている、遺伝子産物Bcr-Ablチロシンキナーゼという酵素の活性を阻害し、抗腫瘍効果を発揮する分子標的薬として、2001年に発売された。その後、同作用がKIT陽性消化管間質腫瘍(GIST)の原因遺伝子であるc-Kitチロシンキナーゼに対し、また、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)に対しても有効性が確認され、03年および07年に追加承認された。最新の知見としては、血液がんの一種である好酸球増多症候群(HES)、慢性好酸球性白血病(CEL)に対しても生存率に改善が認められ、12年に効能追加承認を受けた。副作用は皮疹、倦怠感、関節痛、頭痛などが20~50%、好中球減少、血小板減少が35~50%である。