鳥居薬品が製造・販売するスギ花粉症の舌下液。一般名は標準化スギ花粉エキス原液といい、スギ花粉を対象とした舌下免疫療法(減感作療法)に用いられる。減感作療法はアレルギー性鼻炎のための新しいアレルゲン免疫療法で、日本人の約13%が罹患しているスギ花粉症に有効とされる。アレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲン(抗原)を人為的に体内に取り込ませて、抗原特異的なⅠ型アレルギー反応を減弱させ症状を改善する。従来はアレルゲンを皮下注射していたが、免疫獲得まで数年間にわたり頻回の通院が必要とされ、アナフィラキシーなど全身性の副作用リスクもあって、施行例は減少していた。これに対して本剤は痛みなく投与でき、ショックも起こしにくく副作用は局所のかゆみや浮腫など軽度であることから、安全性の高い治療法として注目されている。この治療法は国内において医師主導で研究が始まり、有効性が認められて2014年1月に製造販売承認を受けた。実用化に際しては、服薬順守の維持が重要であり、定期的な通院が必要である。