小児に投与される薬の安全性情報を把握し、情報提供するための施設。2016年3月、厚生労働省が国立研究開発法人国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)内に開設した。従来、小児用医薬品は製造にかかる負担の割に需要量が少なく、利益率が低いことから、多くの製薬会社が開発をちゅうちょしてきた。薬局では成人用の錠剤を乳鉢ですりつぶすなど、散剤(粉薬)や水剤に加工して出すのが一般的である。用法・用量も不明確で、各医療機関に任せられており、適応外使用も少なくない。そこで小児と薬情報センターは、全国の小児医療機関などからなる小児医療機関ネットワークを活用し、小児に対する医薬品の投与量、投与方法、副作用・副反応の発現状況などの情報を収集、分析や評価をするためのデータベース開発を行う。今後の小児用医薬品の安全性向上や開発に貢献するものとして、一日も早い公開が待たれている。