社会保険診療を利用して医療機関を受診した際、医療機関が保険者(患者)に請求する薬剤報酬費を算定する基準価格となるもの。アメリカでは製薬会社が医薬品の販売価格を自由に決めているが、日本の保険医療制度では厚生労働省が薬価基準として定めている。しかし医療機関が卸売業者から医薬品を大量購入するなどして、流通の過程で値引きが行われると、市場実勢価格と薬価基準との間に差額が生じる。厚生労働省では、これまで定期的に市場実勢価格を調査して薬価基準を改定してきた。しかし、医療費の高騰が国の財政を圧迫する昨今の状況を受けて、国民負担の増加を抑えるためにも、今後は毎年調査・改定を行うとする基本方針を固めた。2016年の医療費は30兆円弱で、そのうち薬剤報酬費は10兆円弱にまで高騰している。