余剰となった薬剤を安く買い取り、転売してもうける違法ビジネス。医師が出す処方箋に従って調剤を行う保険薬局などでは、あらゆる患者のニーズに対応するため、あらかじめ様々な薬剤を十分に在庫しておかなければならない。その際、卸売業者から大量に一括購入すれば、値引きサービスなどで購入費用を安く抑えられるが、予測を誤って余剰在庫を抱えると経営が圧迫される。こうした医薬品流通の裏で、余剰在庫となった薬剤を薬局から買い取り、一般の卸売業者よりも安い価格で他所へ販売する転売業者が増えているといわれる。中には、残薬となった向精神病薬などを医療目的以外に転売したり、医療費を扶助されている生活保護受給者などが高価な薬剤を不正に入手して転売するケースもある。