睡眠に何らかの異常のある状態。睡眠障害国際分類(ICSD)では、睡眠障害を四つに大別している。(1)睡眠異常(睡眠自体の病気 ; 不眠症、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム睡眠障害など)、(2)睡眠時随伴症(睡眠中に見られる異常な行動 ; 夜驚症、夜尿症など)、(3)内科・精神科的睡眠障害(心の病に伴う不眠や過眠)、(4)その他(いまだ分類が確定していないもの ; 短時間睡眠者や長時間睡眠者など)である。睡眠障害というと、不眠症と思われているが、このように様々な種類があり、原因によって治療法が異なるため、精神科医などの専門医に診断をしてもらうことが大切である。最近話題となっているのは、睡眠時無呼吸症候群(SAS ; sleep apnea syndrome)である。「無呼吸」とは10秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が1時間に5回以上または7時間の睡眠中に30回以上あると睡眠時無呼吸症候群と診断される。無呼吸が続くことで身体に負荷がかかって生活習慣病(高血圧や心疾患など)のリスクが高まり、また、昼間の眠気による事故を引き起こす危険性もある。睡眠ポリグラフィーを用いた検査による診断が確実である。治療は、減量、飲酒や向精神薬の制限、禁煙などと最近ではCPAP療法(CPAP ; continuous positive airway pressure)が行われている。