過労死や過労自殺という言葉は医学用語ではなく社会学用語である。医学用語では、死因に基づき脳卒中(脳出血など)、心筋梗塞、うつ病などという病名がつく。そこに至る過程に過重労働(overwork)がある場合に、過労死・過労自殺という用語を用いる。これらは労働災害や公務災害の対象となり補償を受けることができる場合もある。また最近では民事裁判になることも多い。過労自殺においては、多くの場合は過重労働が引き金になって、うつ病を発症した結果自殺に及ぶ。精神科医の治療を受けていないケースが多いため、早めに治療を受けさせることが大切である。一般的には職場関係者より家族の方が早く変調に気づいている。過労自殺・過労死を減らすために、過労死弁護団が社会的活動を行ってきている。また行政では、2000年に「メンタルヘルス指針」を出し、さらに06年にこれを改訂した。また06年度より長時間労働者に対する過重労働面接を事業者に事実上義務づけた。