一般的に精神療法は精神科医が行い、心理療法は臨床心理士が行うことが多いが、内容に差はない。カウンセリングはより広い意味で使われることが多く、スクールカウンセラー、産業カウンセラー、キャリアカウンセラーなどカウンセリングの行われる場所によって呼び名が異なる。現時点では国家資格ではなく、各団体が認定した資格になっている。心理療法は、原則的にノウハウを提供するものではなく、ノウハウを自らが開発していくことを支援するものである。心理療法の基本は患者の話を傾聴することであり、患者にしてみればつらい話を聞いてもらうだけで心の負担が軽減されるものである。心理療法の技法には、精神分析療法、認知療法、行動療法などがあるが、日本で発展したものとして、森田療法と内観療法がよく用いられている。実際の心理療法においては、種々の技法を取り混ぜて行う折衷的方法が用いられることが多い。心理療法はカウンセラーの国家資格がないために医療保険の対象にならず、そのため全額自己負担になることが多い。心理療法を受ける際には、目的、到達目標、心理療法の方法、終了までの回数・期間などを明確にした方がよい。