1971年に日本で「いのちの電話」が創設された。世界的には、53年に自殺予防を目的として、ロンドンで電話相談「サマリタンズ(Samaritans)」が開始されたが、その日本版である。わが国では、自殺者が98年以降、連続して3万人を超える異常事態が続いているが、自殺予防における「いのちの電話」の社会的役割は非常に重要である。24時間対応のところが多く、外国語での相談が可能な施設もある。全国各地の「いのちの電話」は行政や民間機関と連携して、自殺予防に関する相談活動や啓発活動を実施している。2006年時点で、電話相談を実施している都市は51カ所、相談員は7500人おり、相談件数は全国で年間約71万件に達している。「東京いのちの電話」では、07年10月からインターネット相談も開始した。