最近、心の病で疾病休業する労働者が増えており、また長期化する傾向にある。このため、復帰支援プログラム、復職リハビリ、復職デイケアが注目されている。公的機関である障害者職業センターでは、リワーク事業(復職支援プログラム)を行っており、一定の成果が示されている。医療機関においても、復職リハビリや復職デイケアを行うところが増えてきているが、まだ限定的である。また会社においても復職支援プログラムを導入するところが増えてきている。復職支援プログラムのポイントは、労働者の特性や状態に応じた復職プログラムを主治医の協力を得て、きめ細かく作成し、関係者に周知徹底して実施することである。上司は、社内に産業医・保健師・看護師などの専門職がいれば十分に連携して(いない場合には主治医と連携して)、徐々に業務の負荷を増やすとともに、負荷が適切かどうかを、定期的に面接を行って評価することが重要である。こうしたプログラムを適切に利用することができれば非常に効果的であるものの、提供できる専門機関は限られている。