企業や官公庁等の職場で、労働者の健康管理等を行う医師のこと。労働安全衛生法により、一定規模以上の事業所に選任が義務づけられている。具体的には、従業員50人以上の事業所では嘱託(非常勤)産業医が、従業員1000人以上の事業所では専属(常勤)の産業医が必要。有害業務に従事している労働者が、常時500人以上いる場合も、専属産業医が必要とされる。主な業務は、労働者の健康管理で、労働者が健康で快適な環境で仕事ができるよう、専門的立場から指導・助言を行う。近年は、メンタルヘルスや、特定健診(メタボ検診)・特定保健指導にかかわる業務が増えている。1996年の法改正により、産業医には日本医師会や産業医科大学が行う所定の研修を受ける、産業医科大学を卒業する、といった条件が課せられるようになった。なお産業医科大学は、産業医を養成するために設立された医科大学である。2010年現在、日本での産業医の有資格者は、約8万人といわれている。