成分を徐々に放出することで、効力を長期的に持続させる薬剤。デポとは、「貯留物(所)」という意味である。精神科疾患や、ホルモン系の注射剤が多い。最大の特徴は、毎日の服薬の手間が省けることである。たとえば抗精神病薬の場合、経口薬(飲み薬)だと1日数回ずつ服薬しないとならないが、デポ剤の筋肉注射なら1回で通常2~4週間の持続効果があるので、その間の抗精神病薬の服薬が不要になる。服薬忘れを心配する必要もなく、薬の投与を確実に行うには有効である。日本では、現在、抗精神病薬のデポ剤として、ハロペリドール、フルフェナジン、リスペリドンの3種類が発売されている。