高齢者や病人の介護による精神的、身体的な疲れからうつ状態になること。医学的な正式病名ではない。うつ状態とは、うつ病の診断基準を満たすかどうかにかかわらず、ある程度の憂うつな気分や元気のなさを認める状態を指す。日本では介護者の4人に1人が、うつ状態という報告もある。警察庁の自殺統計によれば、理由(複数選択可能)として介護の疲れもあったと推測されるケースが、年間300例前後報告されている。うつ状態が深刻な場合、介護者は医療機関に相談し、できれば休養することが必要である。老人介護は長期になることが多く、病状が改善していくほうが少ないため、精神的なストレスと身体的な疲労が重なってうつ状態を呈しやすい。介護者は、できるだけ周囲の人や公的機関の助けを借り、自分なりの楽しみや休養をとりながら仕事にあたることが大切である。